VRヘッドセットの次は軍事産業。Oculus創業者がAI戦闘機を発表

戦闘機が変わる…?
コンピューターによって創造されるVR(仮想現実)の世界を堪能する上で、欠かすことができないVRヘッドセット。
その先駆けとなったのは「Oculus Quest」というブランド名のハイエンドVRヘッドセットでした。今はMeta(メタ)のFacebookのブランドネームとなる「Meta Quest」で知られています。
Oculusの創業者Palmer Lucky氏は、このほど傘下に収めたAndurilによって、革新的なAIによる完全自動操縦を目指す新型戦闘機の「Fury」を披露しました。
今後の戦場のあり方を変えるAIをフル活用した戦闘機の存在は、米国防総省(Department of Defense)も大いに関心を寄せているようですよ!
戦闘機にもAIの時代
実はAndurilは、米国とメキシコの国境に配備されている移民監視システムのカギを握るAIの「Lattice」を開発しました。
今回、Blue Force Technologiesによって製造されたFuryを、買収によって手中にしたAnduril。狙い通りFuryへLatticeを搭載し、AI戦闘機へと進化させることに成功したと発表されています。
Video: Anduril Industries / YouTube
なんとも渋いデザインのFuryは、最高時速700マイル(約1,100km)で飛行し、レベル5という非常に高度な自動操縦を実現するんだとか。
ただ偵察用に飛行するのみならず、人間のパイロットの手を離れて戦闘に参加することまで可能とされていますね。あくまでもAndurilの発表ですが、納入先には米国防総省が挙がっているのだそうです。
戦場でのAIの役割
米国防総省傘下で、さまざまな自動操縦マシンの研究開発を進めてきたDARPAの存在からも明らかなように、米軍でAIが担う役割は重要度を増しつつあります。
しかしながら、倫理面とコスト面での懸念から、AIを軍事目的でフル活用することに二の足を踏む姿勢も見られてきました。
ところが、Oculusの創業者となるPalmer Lucky氏によれば、潮目が変わったのは、OpenAIが開発したAIチャットサービスの「ChatGPT」の台頭です。
ChatGPTのおかげで一気にAIの認知度や知名度がアップし、政府関係者や軍トップにFuryのようなAIをフル活用する戦闘機への関心も高まってきたとのこと。
米国防総省のスポークスマンは、Andurilとのパートナーシップなどについて、一切コメントできないとの立場を貫いています。
とはいえ、FuryのようなAI搭載機が実戦配備されて活躍する日は、そう遠くないのかもしれませんよね。